「イスクラ麻杏止咳顆粒」は、漢方薬の原典とされる『傷寒論』に記載されている「麻杏甘石湯」がベースになっています。もともとの「麻杏甘石湯」は、比較的強い咳が出ているときに使うもので、こちらの「麻杏止咳顆粒」もまた同じ効果がありますが、さらに陳皮、滑石、桔梗といった生薬を加えています。
「麻杏止咳顆粒」は、気管支を広げ、痰を出しやすくして呼吸を楽にします。なかなか収まらないひどい咳や気管支喘息などの症状に適応します。比較的体力のある人に向いている処方で、飲むタイミングを慎重にしたほうがいい漢方薬になります。自分の症状に合うかどうかは、一度まず漢方薬店へご相談にいらして下さい。
「麻杏止咳顆粒」の基になる「麻杏甘石湯」には、麻黄(マオウ)、杏仁(キョウニン)、甘草(カンゾウ)、石膏(セッコウ)という4種類の生薬が含まれています。こちらの「麻杏止咳顆粒」には、さらに桔梗(キキョウ)、滑石(カッセキ)、陳皮(チンピ)が加えられています。
はげしい咳・気管支喘息などにたいする名方
麻黄には交感神経刺激薬のエフェドリン類が含まれます。この成分は、西洋医学の気管支拡張薬と同じ作用を示し、咳やゼイゼイする喘鳴をおさえます。そして杏仁は痰を取り除く作用があり、石膏には熱や腫れをしずめるはたらきがあります。甘草は漢方薬ではよく使われる調和薬。漢方薬は、こういった生薬の共同作用の妙により身体に効果が現れます。
“ノドの不調には必ず桔梗”というくらい、桔梗(キキョウ)はノドに良い効果があります。喘息や咳は、ノドの刺激で起きることもありますので、桔梗がそこをサポートします。陳皮(チンピ)はお馴染みの果物、ミカンの皮です。陳皮は気を巡らせる力がありますので、呼吸の気を助けます。滑石は、石膏と同じような作用を示し、熱を下げる効果があります。