【カラダのはなし】健康寿命と未病で治すこと

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レッドゾーンを短くする

 日本の平均寿命はまだ少しずつ延びており、2019年度の発表によると、男性は81.41歳、女性は87.45歳ということです。実際に周りの人を見ても、男性で80代に入っている方は珍しいことではなくなってきているように思います。

 しかし、そういった平均寿命に達するまでの間に、どれだけの人が健康でいつづけることができるのでしょうか?70代を越えた方のなかで、どれだけの人が病気をもたず、西洋の薬を必要としないでいられるでしょうか?

 そこで最近では、平均寿命ではなく、健康寿命というものを重視する傾向になってきています。
 健康寿命とは、健康上の問題がなく日常生活を普通に送れる期間のことになりますが、2016年の厚生労働省の発表によると、男性は72.14歳、女性は74.79歳ということです。
 上述した平均寿命とこの健康寿命を比較すると、その開きは男女とも10年近いものがあります。
 つまり、日本で一生を過ごす中で、最後の10年の間は介護などの人の介助が必要となるということになります。アメリカ・イリノイ大学の疫学・生物統計学者のS・ジェイ・オルシャンスキー博士のグループでは、この平均寿命と健康寿命との差の生じる期間を“レッドゾーン”と呼んでいます。私たちが望むことは、このレッドゾーンをできるだけ縮めていくこと、そしてたとえ健康寿命を過ぎてしまったとしても、どれだけ残りの人生を快適に過ごしていくかということではないでしょうか。

未病の智慧を活かす

 生物である限り、私たちは歳を重ねていくことは避けられません。
 いつか必ず生命の終わりを迎えなくてはいけませんので、レッドゾーンそのものを無くすことはできません。

 そこで、考えられるのは、レッドゾーンに入るのを遅らせることと、レッドゾーンを短くすることです。

 そのためにできることは、40代、遅くとも50代といったミドル世代(中年)から自分の身体と向き合って、大切にしていく心がけをもつことです。そして、心がけだけではなく、実際に自分の身体にできることをしてあげる、そういう行動や施策をしてあげることがより実践的なこととなります。

 健康な状態から病気に向かっていくその過程に入らないように、早め早めに自分の身体が出す警告に耳を傾けてあげること、そういった心遣いで自分の身体を診てあげることが大事になります。

 その実践知として活用できるのが、2000年以上の歴史がある東洋医学・中医学の未病の智慧です。

 健康とはいえないけれど、病気でもない。
 病気でもないけれど、健康でもない。
 数値を測ってみたけれど、数値に出ない。
 数値は出たけれど、症状ない。

 こういったことは、どれも未病と呼ばれる状態です。

 例えば、日本人の全死因の3割である心臓病、脳卒中は、こういった未病の段階を無視してきた結果起きているといっても過言ではありません。何かしらの兆候が少しでもあったにもかかわらず、自分の身体を過信してしまった積み重ねが病気です。

 未病の段階を早めに察知し、それを改善していくのが東洋医学・中医学の優れたところです。
 もちろん、定期的な検査を病院でしておくことも大切です。
 しかし、それだけではなく、常日頃からの自分の身体への労わり、未病の段階からメンテナンスをしていくことが大切で、健康寿命を延ばすということは、まさにその姿勢が問われているのではないでしょうか。
 

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