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【漢方薬のはなし】補薬を飲むだけでいいの?

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補薬とは?

 韓国の韓流ドラマ、特に歴史物を観ていると、お役人に賄賂を贈るシーンが出てくることがあります。日本では見たことがないような形をした金塊や、肌触りが滑らかそうな絹織物など、さまざまなものが出てきますが、その中に「補薬」というものが出てくることがあります。

 この補薬とは漢方薬の生薬のことですが、読んで字のごとく”補う薬”というものです。

 では、何を補うかというと、体力や気力といった、体や心を支える腎気や精気というエネルギーの元になるものを補うわけです。生命の根本的なエネルギーを補うわけですから、そんじょそこらの代物ではありません。賄賂になるくらいですから、とても貴重でとても高価なものです。代表的なもので言えば朝鮮人参や、動物生薬である鹿の角(鹿茸)やスッポンなどになります。
 かつて高級であったこれらの生薬は、現在は栽培されたり、代わりものに代替されたりしていますので、それでも高いものではあるのですが、とはいえ、かつてのように皇帝にしか手に入らないようなものではなく、わたしたちにも(程度や品質差はありますが)手に届くものであります。

 こういった補薬というものは、実は西洋医学の薬にはありません。
 西洋医学の薬には、”補う”というものがないのです。ビタミン注射や点滴のようなものはある意味補うものではありますが、これは足りない物質・栄養成分を一時的に足しているだけで、生命のエネルギーを補っているわけではありません。

 一方の東洋医学・中医学には”補う”という概念があり、そして実際に鍼にしても漢方薬にしても、補うとうことができるものがあるのが面白いところであり、そしてこれは、私たち生命を宿すものにとっては必要とするところなのです。また、この点は、西洋医学と一線を画すところになるので、東洋医学・中医学が存在する意義があるということの証にもなります。

 元気が出ない、どうもやる気がない、何かが足りていないというとき、こういうときは、東洋医学・中医学の”補う”という概念と技術、そして生薬といったものが役に立つわけです。

補薬を飲めば事足りるのか?

 では、この賄賂にも使われる補薬なるものは、ただ飲めばいいのでしょうか?

 確かに、補薬は飲むと体力がついてくるのが実感できます。
 しかし、それだけでは補薬の力が十分に発揮されるとは限りません。

 せっかく補薬を飲むのですから、より効果が出るように、飲む側にとっても補薬を活かす心持ち、心がけが大切になってきます。
 それでは、補薬を飲むときのポイントを以下にまとめてみます。

  • 補薬だけに頼ることなく、”生薬の助けを借りて元気になるぞ!”という意欲を持つこと。
  • 食養生やその他の養生(生活の見直し)をしっかりとしていくこと。
  • 体力がついてきたら身体の鍛錬もしていくこと。
  • 他の病気や症状がある場合は、そちらの対処もしていくこと。
  • 補薬に期待しすぎたり、補薬頼りになってたくさんの量を服用しないようにする。

 以上のことを守ることによって、補薬の効果も増してきます。
 中には精神論や根性論なことのようなことも挙げてありますが、気力というものは、まさに”気”というエネルギーのことを表し、精神とも関係するものです。身体が弱っているときは、気持ちを上げろといってもなかなか上がらないものですね。なので、無理に上げようとする必要はありません。まずは補薬を飲んだらきっと元気になるんだ、という軽い気持ちから少しずつ上げていくのが良いのではないかと思います。

 元気が出ないとき、体力が落ちているときの補薬もまたそれぞれの体質、体調に合わせていくことが大事ですので、この記事を読んで、自分には補薬が必要かなと思いましたら、ぜひ薬戸金堂にご相談ください。

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